メールマガジン ・バックナンバー

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KCRビジネスジャーナル 2005年11月21日号 http://www.kcr-inc.com/
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目次

■東京IPOで毎月1回好評連載中! 〜本物の企業IRを考えるシリーズ〜
   「個人投資家にとっての企業IR」その1(全12回)
   株式会社KCR総研 代表取締役 金田一洋次郎
   (証券アナリスト・IRコンサルタント)

■証券アナリスト金田一洋次郎の業界セクター分析講座
  〜不動産セクター編〜 (最終回/全12回)

■IRコンサルタントのつぶやき 〜関西人はしゃべり好き!?〜

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■東京IPOで毎月1回好評連載中! 〜本物の企業IRを考えるシリーズ〜
   「個人投資家にとっての企業IR」その1(全12回)
   株式会社KCR総研 代表取締役 金田一洋次郎
   (証券アナリスト・IRコンサルタント)
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○IR活動は活性化するが・・・

 今、企業のIR(インベスター・リレーションズ)活動がにわかに見直され
ているような気がする。相次ぐ大企業の不祥事、ネット証券の台頭、個人投資
家の復活、 IPO企業数の増加、証券取引所間の競争など、ここ数年で私たち資
本市場を取り巻く環境は大きく変わった。こうした現象は、近年、活発化をみ
せる企業IR活動と無縁のものではないだろう。特に、最近は、大企業でも従前
からの機関投資家向けのIR活動だけではなく個人投資家向けのIR活動に力が入
ってきているという。7年前に、個人投資家向けのIRとアナリスト活動を標榜
して独立した小生にとっては好ましい動きではある。

 しかし、実際のところ企業にとっても投資家にとっても本当の意味で企業IR
活動が正しく認識されているかというと少し首を傾げざるを得ない。企業IRは、
言うまでもなく企業と投資家を結ぶ重要な役割を担っている接点である。この
接点が正しく機能しなければ、企業、投資家双方に誤解が生まれ、結果として
当該企業ばかりか証券市場全体の信頼性を失うことにもなりかねない。私が考
えるにこれからの企業IRは、量的な規模に加え、質的な面からも企業、投資家
双方が互いに研鑽しあって構築していく極めて大切な時期に入ったと考えてい
る。

○本物の情報は果たして

 思うに、今の世の中は情報が溢れすぎて本物を知る機会が以前に比べはるか
に取得することが難しくなったような気がする。投資情報ひとつとってみても
インターネットを叩けば、確かに投資に関する情報は、たくさん出てくるが、
どの情報に信憑性があるのかは教えてはくれない。投資情報に対するアクセス
は、以前よりはるかに簡単になったが、物事の真贋を見極めるのは、かえって
難しくなったような気がする。企業IRも例外ではない。以前に比較して、量
的には拡大しているが質的な面はどうだろうか。実は、企業IRを正しく知る
ことは、個人投資家にとっても投資パフォーマンスに直結する極めて重要なこ
となのである。ものに限らず情報においても、にせものが跋扈する今日この頃、
今の時代ほど、本物が求められている時代はないのではないだろうか。

 私自身、企業IRの研究を始めてからはや13年の歳月が経とうとしている。こ
の間、常に現場に立つことを原則として、株式市場、とりわけ株価と企業IR活
動の実践の関係に焦点をあて、分析研究を進めてきた。「企業にとって有効な
IR活動とはどういうものか」、「投資家が期待する企業のIR姿勢とは何か」、
「企業IR活動は当該企業にどのような影響を与えていくのか」、こうした疑問
を明らかにしていくことは学術的にもかなり意義深いことのように思われる。
このコラムにおいては、活発化する企業IRにスポットを当て、私たちに身近に
なってきた企業IRの本質に迫り、本物の企業IRとはどういうものなのかという
ことをテーマにこれまでの研究成果を踏まえて皆さんと一緒に考え分かりやす
く解説して進めていきたいと思う。

※2005年01月掲載。投資情報満載のメールマガジン「東京 IPOマガジン」のご
登録は、同社ウェブサイトで。 http://www.tokyoipo.com/

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■証券アナリスト金田一洋次郎の業界セクター分析講座
  〜不動産セクター編〜 (最終回/全12回)
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第12回 不動産企業に求められるもの

 米国では年金基金と不動産投信が市場の4分の3を保有する最大の不動産投資
家である。不動産投信市場が急成長中のわが国においても、不動産投信が実物
不動産の最大の買い手となる可能性が高い。そうなれば不動産投信の投資方針
や行動が不動産市場の動向を左右するようになる可能性も否定できない。不動
産投信の存在感はますます大きなものとなることが予想される。

 不動産投信が不動産企業の経営に与える影響も小さくない。不動産投信市場
にはすでに大手不動産会社各社が参入している。その目的は、自社のバランス
シート外に一定の影響力を行使できる不動産ポートフォリオを保有しつつ、不
動産投信運用業務から派生する業務を獲得することにある。自社開発事業の売
り先としても有望である。不動産企業は成長が期待される不動産投信への取り
組みの成否が問われることになる。

 不動産投信の登場によって不動産株の金融商品としてのあり方も問われよう。
不動産投信はあくまで安定的な利回りを追求する商品である。不動産株に対し
ては、企業自らが開発事業を行うことによってのみ獲得される高い成長性が重
視されるようになろう。

 ここにきて不動産市場が過熱化している。不動産投信や私募ファンドが大都
市圏を中心に優良物件の取特競争を繰り広げており、不動産バブルであるとの
指摘もなされている。バブルであれば、いずれ破たんをきたすことになる。市
場の好調が伝えられる今こそ、厳しい目で銘柄選択に臨みたい。(了)

(次週から、チェーンストアセクター編をお届けします)

※2005年1月執筆。投資情報満載のメールマガジン「東京IPOマガジン」のご登
録は、同社ウェブサイトで。 http://www.tokyoipo.com/

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■IRコンサルタントのつぶやき 〜関西人はしゃべり好き!?〜
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 私は関西に生まれ育った人間だが、中間決算説明会に出席するため東京に出
張している。東京に来れば、妙に関西が恋しくなるもので、中間決算説明会で
も関西出身と思われる代表の方の話が自然と耳に入ってくる。

 そこで一つの違いを発見した。決算説明会の後の質疑応答において、関西出
身と思われる代表は、「ここだけの話ですが・・・。」と前置きをして、こち
らが驚く様な情報をよく出している。他方、「公表は差し控えさせて頂きます。
」といったコメントはあまり聞かれない。これは、IRの意識が高いのか、単に
しゃべり好きなのか、理由はわからないが、一つの傾向として言えそうである。

 となると、関西出身の代表が決算説明会に出る場合、突っ込んだ質問をして
みるのはどうだろう。意外とすんなり答えが返ってくるかもしれない。(桜)
 
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●先週11月19日(土)東京での個人投資家の皆様を対象にした企業説明会「企業
  IRフェアin 東京(KCR総研主催、ロイター・ジャパン協力)」は盛況のうち
  に終了致しました。ご参加頂いた企業様、個人投資家の皆様には心より御礼
  申し上げます。

編集・発行
株式会社KCR総研 研究員  梶本昭典
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